ホーバスHCが就任後の男子日本代表の初陣となるW杯予選の中国戦が近づいてきた。
女子日本代表の動画からホーバスHCのバスケを学んでいく。
代表戦でこれらのプレイが炸裂した時は「進研ゼミで見たやつだ!」と興奮しよう。
◯オフェンス編
●5アウト モーションオフェンス
練習期間が短いので、複雑なセットオフェンスはほとんど使わないと予想する。
ハーフコートオフェンスは、モーションオフェンスが多くを占めると考えられる。
モーションオフェンスとは、選手の動きがガチガチに決められているセットオフェンスと何も決められていないフリーオフェンスの中間的な存在だ。
基本的な約束事だけ決められて「後はディフェンスの動きを見て動いてね(リード&リアクト)」でプレイするので、秩序と対応を兼ねたシステムになる。
ここで言う約束事とは、選手の立ち位置(アライメント)や役割、プレイ選択の優先順位のことだ。
例えば、「オフェンスの初めはローポストにいるセンターにボールを入れる」「ミドルレンジからシュートを打ってはいけない」「スペースを広げるためにシューターはコーナーに立つ」といったものが挙げられる。
その立ち位置の中で、ホーバスHCが好んで使うのが5アウトだ。
5アウトとは、インサイドに選手を配置しないで全員がアウトサイドからプレイを始める初期位置のことだ。
・ピック・アンド・ロール
↓0:50から再生
お手本のようなピック・アンド・ロール。
ハンドオフでボールを渡した選手がボールサイドのコーナーに切れてステイしているので、この選手にパスをしてスリーを打たせる選択肢もある。
コーナーに切れた選手が、ドライブに合わせてウィングの位置に移動する(リプレイス)のも強い。
もし、ボールマンが誰もいないコーナーやウィングに豪快にノールックパスを出したら、それは急造チームあるあるなので、温かい目で見てあげよう。
・バックカット
↓7:38から再生
ドライブに合わせてコーナーの選手がカットしている。
5アウトはインサイドに広大なスペースができるので、ドライブを警戒するためにディフェンダーがボールをガン見しがちだ。その隙にバックカットを決める。
ヘルプサイドのウィングの選手がカットする「45カット」も強力だ。
・スタッガード ポップ
↓0:47から再生
2つのスクリーンを時間差でセットすることでディフェンダーを引っかけやすくしている。また、三人が密集するのでコミュニケーションが取りづらく、スイッチすることが難しい。
このプレイからは何種類かの派生があるが、女子日本代表は動画のようにスクリーナーが2人共ポップアウトしてスリーを打つことを選ぶことが多い気がする。スクリーンをキャンセルしてダイブするプレイも強い。
●トランジションオフェンス
新生日本代表に最も期待されるプレイだ。
ボールを奪ったら、相手のディフェンスが整わない内に電光石火でバスケットにアタックする。
・ワンマン速攻
↓1:22から再生
理想形。
紹介しておいてなんだが、残念ながら男子で動画のようなリバウンドからのワンマン速攻が見られる可能性は低い。ディフェンスリバウンドを取るために全員がリバウンドに参加するためだ。
狙うのはスティールからのワンマン速攻だ。
・ドラッグ
↓2:54から再生
最も重要なプレイかも知れない。
ボールを奪ったら素早くボールをプッシュして、相手に適正にディフェンスするための時間を与えない。そのふんわりとした相手のディフェンスの隙を突くようにおもむろにボールマンにスクリーンをかけてピック・アンド・ロールを仕掛ける。
速攻を諦めたと見せかけてスローダウンしかけたところにスクリーンがかかると、緩急がついて守りづらい。
・ペイントタッチにこだわらない早打ちスリー
↓1:13から再生
このプレイは、コーチよっては好き嫌いが大きく分かれる。「インサイドアウトこそ正義」のコーチもいれば、「チャンスがあったら即打て」のコーチもいる。
ホーバスHCは後者のコーチだと思われる。
ワイ氏的には、日本代表には「チャンスがあったら即打て」の考えが合っている気がする。
将来的に日本バスケが成熟しても、世界のトップ勢とのフィジカル差は埋められないと予想している。シュート力で押し切るしかない。和製カリーを3人くらい育成しなければならない。
ネブラスカ大で活躍する和製カリー第一号が代表に合流した時に、このコンセプトであってほしい。
・コーナースリー
↓5:23から再生
トランジションからのスリーは、超重要オプション。
これが安定した得点源になれば、日本はめちゃくちゃ強化される。
得点力以外にも、八村やビッグマンが走ってくるスペースを作る用途がある。
◯ディフェンス編
ディフェンス戦略は大きく分けて2つある。
①相手からボールを奪う
②相手に難しいシュートを打たせてリバウンドを確保する
ホーバスHCのバスケは①だと思われる。日本に適しているのも①だ。
・スティール
↓3:36から再生
相手のポゼッションを潰してファストブレイクに繋げることができるバスケットボールにおける理想的なプレイ。
綺麗に相手からボールを奪いきれないことが多いので、ルーズボールには全員で飛びつきたい。
・ダブルチーム
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相手のピック・アンド・ロールに対しては、ソフトヘッジ&オーバーというバランスのいい守り方をすると思うが、要所でブリッツ(ダブルチーム)に行くのを期待。
「一人では守れないから二人で守る」のではなく、「ボールを奪うために」ダブルチームに行ってほしい。
・高い位置からのプレス
↓4:03から再生
↓5:00から再生
機動力を活かして、高い位置からプレーシャーをかけたい。
普段よりもプレイタイムが少ない選手は、スタミナを考えずにバチコリやって欲しい。
女子日本代表のすごいところは、アドリブでプレスに行った時でもオフボールのディフェンダー達がスティールを狙えるポジションに素早く移動しているところだ。阿吽の呼吸としか言いようがない。
もしボールを奪えなかったとしても、相手のPGにボールを運ばせないだけで戦果は大きい。
いつもどおりのオフェンスのエントリーができなくなるからだ。ハーフコートに移行してからPGにボールを持たせようとすると余計に時間が必要なので、ショットクロックを無駄に消費させることができる。
◯まとめ
中国戦はよ