バスケにおける「ズレ」ってなに?ワイドオープンとかクローズアウトって何?

Bリーグ
ポイント

「ズレ」とは、ディフェンダーが適正な位置から外れた状態にあること。

「ワイドープン」とは、シュートブロックに間に合わないほどオフェンスとディフェンスの間に距離がある状態。フリー、ノーマーク、オープンとも呼ばれる。

「クローズアウト」とは、ボールを持った選手がワイドオープンにならないようにディフェンスの選手が距離を詰める動きのこと。

○ズレとは何か

ディフェンスには、相手を止めるための理想的な「位置」が存在する。
シュートを簡単に打たせず、ドリブルで簡単に抜かれないようなバランスの取れた位置だ。

このシュートにもドライブにも対応できる位置が、オフェンスの仕掛けによって外れた状態にあることを「ズレ」と呼ぶ。

・1ON1におけるズレ

ちょっとこの動画を見てほしい(再生すると4:45から開始)

左から右のクロスオーバーでズレができて、ディフェンダーが適正な位置に移動したときにさらに右から左へのダブルクロスオーバーでズレがさらに大きくなっている。

その隙を突いてドライブが決まった。

この場面のダブルクロスオーバーで揺さぶられた後は、ドライブを警戒して重心を後ろに傾けつつ右足を半歩下げる動きが有力だ。それをコーがしなかったのは、富樫のスリーを警戒していたからだ。
ここまでの得点を全てジャンパーで取られていた上に、スリーを決められると負けが確定する場面なので、スリーをケアする守り方を選択した。

ズレ(ディフェンスにとって適正ではない位置)が生じると、相手のジャンパーとドライブのどちらかしか守れなくなる。ズレはオフェンスを有利にさせる。

・5on5におけるズレ

5on5のズレはわかりやすい。(再生すると2:17から開始)

(ハンガリーオフェンス)25番にパス

(日本ディフェンス)【ズレ発生】25番を守るために距離を詰める

9番にパス

【ズレ発生】9番を守るために距離を詰める

9番がドライブでペイントエリアに侵入

【ズレ発生】全員が9番のシュートとパス(キックアウト)を警戒する

ウィークサイドから5番がカットしてレイアップを決める。

ハンガリーが、小さなズレを徐々に大きくするように連動していることがわかる。

○ワイドオープンとは

ワイドオープンとはシュートブロックに間に合わないほどの大きなズレのことだ。フリー、ノーマーク、オープンとも呼ぶ。

ワイドオープンには定義があり、オフェンスとディフェンスの距離が6フィート(183cm)以上を指す。

スリーを放ったアヴィの状態がまさしくワイドオープンだ。(再生すると0:40から開始)

ワイドオープンのシュートをどれだけ決めることができるかということは、チームの単純な得点力だけではなく戦術的にも大きな意味を持つ。

シュートが入らなければ、激しくチェックに行く必要が無くなるため、ズレが生じづらくなるのだ。

○クローズアウトとは

クローズアウトとは、ボールを持った選手がワイドオープンにならないようにディフェンスの選手が距離を詰める動きのことだ。

上のアヴィがスリーを放った場面で言えば、アヴィにシュートを打たせまいと距離を詰めた5番の動きがクローズアウトだ。

「シュートブロックには絶対に間に合わないのに距離を詰める意味あるの?リバウンドの準備をした方が良くない?」
と思う人もいるかもしれない。

意味はある。ボールに触れることはできなくともブロックに飛ぶこと(シュートコンテスト)で相手にプレッシャーがかかり、シュート確率が落ちるのだ。

↓外部リンク:クローズアウトでシュートは10%落ちる 【GOEMON】女子バスケットボールクラブチーム

クローズアウトでシュートは10%落ちる | バスケットボール情報サイト/B3/しながわシティ応援サイト
【クローズアウト三行まとめ】 ☑クローズアウトはダッシュ&ハーキー。 ☑両手を高く

ただし、毎回本気でクローズアウトすることが強力なムーブというわけではない。距離を詰めたときにドリブルで抜かれる(カウンター)リスクがあるのだ。

どこまでの強度でクローズアウトを行うかは、相手シューターの能力を見極める必要がある。シュート確率が低いようなら、クローズアウトは緩めにしてカウンタードライブの警戒を強めるべきだ。

○まとめ

「ズレ」とは、ディフェンダーが適正な位置から外れた状態にあること。オフェンス有利。

「ワイドープン」とは、シュートブロックに間に合わないほどオフェンスとディフェンスの間に距離がある状態。オフェンスが超有利。

「クローズアウト」とは、ボールを持った選手がワイドオープンにならないようにディフェンスの選手が距離を詰める動きのこと。

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