○地方チームのファンの嘆く声
小酒部がA東京の特指になり、大倉が千葉の練習生になったことで、ツイッターでは地方ブースターの嘆く声が絶えない。
「どうせアルバルク東京とか千葉ジェッツとかの関東のチームにしか有力な学生は来ないんでしょ(‘A`)ツマンネ」
「強いチームがより強くなって格差が広がるの(‘A`)ツマンネ」
わかる!君たちの気持ちはよくわかる。
強豪大学が関東に集中してるから、在学中の特別指定選手としての活動は関東のチームじゃないと厳しいよな。そりゃ地方のチームからすれば不公平だ。
今後も関東のチームに大学スターが集まれば、戦力格差が更に広がるよな。地方チームは不安だよな。大河動かないしな。
しかし学生たちの気持ちもわかって欲しい。
そして、本当に格差が広がるものなのか考えてみた。
NOTE
特別指定選手や新人契約がわからない人はこちら↓
○「プロ」としての彼らの気持ちもわかって欲しい
彼らは別に、大学が関東だから千葉ジェッツに行くわけでもなく、チームが強いからA東京に行くわけでもないのだ。
「年俸を多くもらえる」
から、そのチームに行くのだ。バスケットボールプレイヤーとしてお金を稼げる期間は短い。
「プロ」としての彼らの気持ちをわかって欲しい。
・千葉や東京は他のチームに比べてどれくらいの年俸を提示できるのか?
この記事を見てもらえばわかると思うけど、
トップチーム人件費の規模から推測するに、
千葉は、他チームの2倍
A東京は、他チームの2.5倍
の年俸を提示できると考えられる。
特指のアマチュア契約?ルーキー契約?そんなものは飾りです。
書面上の複数年契約は出来ないが(ルーキー金額460万円×複数年の金額になるため)、「ルーキー契約が終わったらルーキー時代の年俸を補填する」と口約束するだけで回避できる。所詮口約束と言えばそれまでだが。
○地方チームの対抗策
・お金が無いならプレイタイムをあげればいいじゃない
地方チームのブースターよ元気を出せ!
みんながみんな、お金を求めるわけじゃない!プレイタイムが欲しい選手もいる!
中には横浜の田渡みたいに「自分の力でチームを勝利に導きたい」という気骨のある若者も現れるだろう。
・大学生が来てくれないなら高校生を呼べばいいじゃない
もうすでにやってるチームがいくつもあるけど、大学生にこだわらなくていいんじゃね?
高校生と特指契約しようぜ。
そうすれば、関東集中の問題も解決できるし(福岡集中の問題が浮上するかもしれないがw)、地元密着も実現できるし良いことばかりだ。
特別指定で獲得した高校生を大学バスケ部に入れさせずに自チームと本契約を結ばせることが出来るか否かは、GMの手腕が問われる。
NOTE
日本はプロになる年齢が遅すぎる。
ドンチッチやルビオ、トニーパーカーは10代の頃からトップチームでプレイしていた。
○格差は大して広がらない説
・2019-20の新人を見てみると・・・そんなに格差があるか?
2019-20のシーズン途中から加入した新人選手の一覧↓
そんなに格差があるか・・・?
確かに、小酒部、テーブス、大倉といった日本代表に絡んできそうなメンツは関東に行ったけど、地方のチームにも素晴らしい選手達が行き渡っている。
胸に手を当てて考えてみて欲しい。「自分のチームの新人を小酒部選手かテーブス選手と無条件に交換できます」と言われれば、二つ返事で「お願いします。」と言えるだろうか?
少なくとも京都や秋田は、寺嶋や多田を簡単に手放せないと考えられる。
・そもそもエースとしての能力が高いプレイヤーは、今後のBリーグにフィットするのか?
この話はあんまりしたくないんだけど、来シーズンからのクソレギュレーション新オンザコートルールを鑑みると、日本人選手に求められる役割って
スリーポイントとディフェンスがほとんどではないか?
と思うんだよな。ボールハンドラーに外国籍かアジア枠が来るとなると。
ボールハンドリングやバスケットへのアタックが不要とは言わないが、上の二つに比べれば優先度が下がると思う。
もしそうなれば、「エースとしての役割に優れる大学のトッププレイヤーは十分に力を発揮できない環境になる」のではないかと考えている。逆にレギュレーションがオンザコート1(アジア枠なし)とかであれば、大暴れするだろう。
何が言いたいのかというと、日本人選手が試合に与える影響が少なくなるから有力大学生が来てくれるか否かでは格差は大きく広がらない。ということだ。
悲しく嘆かわしいことなので、ワイ氏の予想が的外れであることを祈る。
○まとめ
言うほど戦力差は広がらない。
地方のクラブに対抗手段が無いわけでもない。プレイタイムが欲しい学生もいるし、高校生を獲得するのも良い。
おまけ 学生たちがアーリーエントリーしてまでプロになりたがる現状を喜ぼうぜ!
今でこそ、B1平均年俸1600万円。日本代表平均年俸5000万越えの夢のあるリーグになったが、5年前のBリーグ開幕前のバスケ界はそうではなかった。
日本代表選手ですら「プロバスケ選手になると周囲に言うのが恥ずかしい」というレベルのリーグだった。
それが今や、競ってプロになりたがってくれるという状態。
ありがたい時代になった。